コタロウマットは欲しいけど、下の階に響いたらと思うと買えない…。
パターマットの音は、出どころを知れば対策が立てやすくなります。
先に結論を書いちゃうと、選ぶときに見るのは商品名の「静音」ではないんです。
マンションのパターマットは、音がどこから出ているかで選びます。
- 音の出どころは4か所(転がる/カップに落ちる/返球の仕組み/マットの外)
- どこまでなら許されるかの公的な合格ラインの数字はなし
- 「静音」の中身はメーカー公式の原文で確認可能
- 確かめる仕様は裏面・厚み・カップ・返球の4つ
- 置き場所と練習する時間帯もセットで決める
こう書くのには、理由があります。
どれくらいの音なら許されるのかを決める公的な数字が、そもそも存在しないんです。
環境省は、生活騒音に法的規制はない、と書いています。
東京都の条例が定める基準値も、じつは集合住宅の住戸間は対象外なんですよね。
「静音」に公的な合格基準はありません。だから「静音と書いてあるか」だけで比べても、判断の材料がそろわないままです。比べる物差しは、商品名ではなく音の出どころに置いてみてください。
平日の夜しか練習の時間が取れない方ほど、この順番で決めておくと迷いが減るはずです。
月1ラウンドでも自宅の練習を積み上げる考え方は、月1ゴルフのサラリーマンでも100切りは狙える記事でも書いています。
4か所を1つずつ押さえれば、選ぶ基準がぐっとはっきりしてくるんです。
4つの質問から、いま取り組むテーマを1つに。次の練習でやることと、練習メモを作ります。
回答をもとに練習の優先順位を整理するツールです。スイングの原因やスコア改善を保証するものではありません。練習内容はゴルハックの提案例です。
結論:マンションのパターマットは静音より音の出どころで選ぶ


パターマットの音って、ひとかたまりではなく4か所に分かれているんです。
まずは全体像を、4か所の一覧で先に置いておきますね。
| 音の出どころ | 出るとき | マット選びで変わる | 置き方で変わる |
| ①転がる音 | 打ってから止まるまで | 変わる | 変わる |
|---|---|---|---|
| ②カップイン音 | 球がカップに入る瞬間 | 変わる | 変わらない |
| ③返球の音 | 球が手元に戻るとき | 変わる | 変わらない |
| ④マット外の音 | 球がマットから出たとき | 変わらない | 変わる |
1つ目は、ボールがマットの上を転がる音
打った瞬間から球が止まるまで、ずっと出続けているのがこの音です。
4か所のうち長い時間鳴り続けているのも、この転がる音なんですよね。
ここで効いてくるのは、じつは表面の人工芝ではありません。
見るのは人工芝の「下」です。球の重さは人工芝を通り抜け、その下にあるものへ伝わっていきます。だから同じ見た目のマットでも、下に何を挟んでいるかで床に当たるものが違ってくるんですよね。
たとえば、ダイヤ株式会社(ダイヤゴルフ)のパターグリーンHD2020。
製品ページでは「人工芝の下には厚めのラバーを接着」と説明しています。
つまり、人工芝とラバーの二層になっているんです。
床に触れるのは、ラバーの面というつくりですね。



床に当たっているのは芝じゃなくて、ゴムの面なんだ。
ただ、正直に言うと、それで音がどれだけ変わるかという数字は公表されていません。
ここで確かめられるのは、構造がこうなっているというところまでなんです。
2つ目は、ボールがカップに落ちる音
2つ目は、入った瞬間だけ「コツン」と鳴る音です。
この音が出るかどうかは、カップの部品があるかどうかで決まります。
パターマットの形は2つ。
カップの手前が登り坂になった傾斜ありタイプと、平らなフラットタイプです。



カップがあるかないかで、そこだけ音が変わるんだ。
プラスチックのカップが付いているタイプは、球が落ちる先が硬い部品。
カップの部品は、あとから足すという手もあります。平らなマットを買って別売りのターゲットカップを置けば、部品の有無を自分で切り替えられる作りに。夜だけ外す、といった使い分けもできますよ。
次の一文は、ダイヤがフラットタイプの製品ページに置いている説明です。
プラスチックカップのないフラットタイプなのでカップイン時の音も気になりません。
これはあくまでメーカーの説明で、測って出した数字ではありません。
読み取れる事実は、球が落ちる硬い部品そのものがないという構造の話までですね。
3つ目は、返球の仕組みが動くときの音
打った球を手元まで戻す仕組みが付いたマットには、3つ目の音があります。
戻し方は2通り。
傾斜で転がして戻すタイプと、電動で押し出すオートリターン(打った球が手元まで自動で戻ってくる仕組み)です。
電動の場合、モーターが動く音がここに加わります。



拾いに行かなくていいのは楽。でも音は増えるんだ…。
ダイヤがオートパットHDの製品ページで使っている機能名は「静音オートリターン」。
同じページの説明文は「動作音が静かなので、時間を気にすることなく自宅で練習可能です」と続きます。
ただ、いずれもメーカーの言葉で、測定した値ではありません。
電動は、音が消えるのではなく置きかわります。拾いに行く手間がなくなる代わりに、モーターの動作音と電池という別の要素が増えるためです。どちらを取るかで選んでみてください。
傾斜で戻すタイプなら、増える音は球が坂を転がって戻る音だけです。
4つ目は、マットの外に出た球が床に当たる音
4つ目は、打ち損ねて球がマットから外れたときの音です。
このとき球は、マットを一枚も挟まずに床へ直接当たってしまいます。
そして4か所のうち、販売元が自分から注意書きを出しているのは、この4つ目だけだったんです。
ただし、マットから外にボールがこぼれないように、工夫をお願いいたします。
マットの端にボールストッパー(球を受け止める部品)が付いているかどうかも、この音に関わる要素。
つまり、マットを選ぶだけでは片づかないんです。
周りに何を置くかまで含めて考える音でもあります。



たしかに、外した球のほうがうるさい気がする…。
4か所のうち、自分の部屋で減らせるのはどこか
4つを並べてみると、手を打てる場所は3つに分かれます。
- マット選びで変わるもの=①転がる音・②カップイン音・③返球の音
- 置き方で変わるもの=①転がる音・④マット外の音
- 練習の選び方で変わるもの=②カップイン音・④マット外の音
この記事の決める順番は、音の出どころ→仕様→置き場所と時間帯の3段階です。
先に出どころを決めておくと、商品ページのどこを読めばいいかが絞れます。
ちなみに、転がり方そのものが気になってきた方は、マットではなくパターの選び方を見直してみる手もありますよ。
この記事が扱うのは、マットと部屋と音だけです。パター本体のスペックや打ち方には踏み込みません。次の章は、そもそも音にどこまでの基準があるのか、公的な資料で確かめた結果です。
マンションのパターマットの音に合格ラインの数字はない


「何デシベル(音の大きさを表す単位)までなら大丈夫か」を探しても、答えは出てきません。
この章で開く資料は、次の5つです。
| 発行元 | 資料 | 使う部分 |
| 環境省 | 生活騒音のパンフレット | 法律の規制の有無と相談先 |
|---|---|---|
| 国土交通省 | 住宅性能表示制度の解説 | 床の音の呼び分けと対策 |
| 東京都環境局 | 環境確保条例のページ | 基準値が届く範囲 |
| e-Gov法令検索 | 建築基準法第30条 | 法律が定めている部位 |
| 建築研究所 | 木造建築物の講演資料 | 条文の範囲の整理 |
生活騒音を規制する法律はない、と環境省は書いている
自宅のパター練習で出る音は、生活騒音(日常の生活行動から出る音のこと)の一種です。
環境省のパンフレットは、ピアノやクーラー、給排水の音などを生活騒音の例として挙げています。
そして、その生活騒音について法的規制はないと、はっきり書かれていました。
また、生活騒音には法的規制はありませんが、近隣住民や地域内で話し合う、市区町村に相談するなどの解決方法があります。
規制がないということは、合格ラインの数字も用意されていないということなんです。
だから「静音」と書かれた商品にも、公的なお墨付きが付いているわけではないんですよね。
同じパンフレットは、市区町村によっては条例で配慮を定めている場合がある、とも添えています。
東京都の基準値は、同じ建物の住戸間には適用されない
では、条例の数字ならどうでしょうか。
東京都には、環境確保条例(東京都が定めている、生活の音などについての条例)があります。
そこに置かれているのが、日常生活の音の基準値です。
ところが東京都環境局のページには、その基準値を適用しない場合がはっきり書いてありました。
この基準値は、次の場合は適用しません。・集合住宅など同一建物内部における各住戸間の騒音・振動
この規制基準は、音源のある敷地と隣地との境界線で測る決まりなんです。
同じ建物の上下階や隣の部屋は、そもそも測る場所として想定されていません。
条例の数字は、合否の線として使えない数字です。デシベルの値だけを切り出して「この数字以下なら平気」と読むと、もともと対象外の基準を自分の部屋に当てはめてしまいます。数字ではなく音の出どころで考える理由が、ここにあるんです。
ボールが落ちる音は、軽量床衝撃音のほうに近い
床から下の階へ伝わる音を、国土交通省の資料は2つに呼び分けています。
ひとつは軽量床衝撃音(硬くて軽いものが床に落ちたときの音)です。
もうひとつが重量床衝撃音(人が歩いたり走ったりしたときの音)。
椅子の移動時や、食器、硬貨の落下時など、比較的質量の小さく硬いものが床に落下した際に発生する衝撃性の音をいいます。
硬貨の落下と並べて説明されているので、ゴルフボールが床に当たる音はこちら側に近い種類と考えてよさそうです。
同じ資料は、この音への対策として床仕上げ材に軟らかい材料を選択することを挙げています。
床仕上げ材とは、床の表面に貼ってある材料のこと。
向きが同じ、というところまでです。裏面に軟らかいラバーを使ったマットは、この対策と考え方の向きが重なります。ただし等級が上がる・何デシベル下がるという話には、公表された数字がありません。
床の遮音を義務づけている法律はない
もうひとつ、知っておくと気持ちが整理される事実があります。
建築基準法第30条が基準を定めているのは、長屋または共同住宅の各戸の界壁(隣の住戸とのあいだの壁)です。
界床(上の階と下の階のあいだの床)についての規定は、この条文に見当たりません。
公的研究機関の資料も同じ整理です。国立研究開発法人 建築研究所の講演資料にも、規定があるのは第30条の界壁だけ、と書かれています。ただし対象は木造建築物なので、借りているのは条文の範囲まで、ということですね。
| 枠組み | 決めていること | 自宅の練習に当てはまるか |
| 建築基準法 | 界壁の遮音性能 | 床は対象の外 |
|---|---|---|
| 環境確保条例 | 敷地境界線での音量 | 住戸間は対象の外 |
| 住宅性能表示制度 | 界床の仕上げ構造の等級 | 建物の性能の話 |
| 生活騒音 | 法律の規制なし | 話し合いと相談 |
住宅性能表示制度(住宅の性能を共通のものさしで表す国の制度)という仕組みがあります。
そのなかに、軽量床衝撃音対策等級という5段階の表示があるんです。
ただし国土交通省の解説によれば、音環境に関することは制度のなかで選択事項という位置づけ。
つまり、自分のマンションで等級が表示されているとは限りません。
音の感じ方には個人差がある、と国の資料にも書いてある
ここまでの話には、もうひとつ前提があります。
仮に数字が用意されていたとしても、同じ音の受け取り方は人によって違うという前提です。
環境省のパンフレットは、「感じ方は人それぞれです」と書いています。
一度不快と印象付けられた音を敏感に感じるようになる場合がある、とも添えていました。
国土交通省の資料にも同じ注意書きがあります。等級と実感の対応を示した箇所には「騒音に対する感じ方(聞こえ方やうるささ)には個人差がありますので、ひとつの目安と考えてください」との一文。表示する値と実際の住宅での実感が一致するとは限らない、とも書かれていましたね。
国が作った等級ですら、そこまで慎重に言葉を選んでいるんです。
だからこの記事でも、響かない・苦情が来ないとは書かないことにしています。
書けるのは、メーカーが仕様としてどう説明しているかと、音の出どころがどこかまでです。
静音のパターマットは何が違うのか、公式の原文で見る


メーカーが「静音」という言葉で何を説明しているのか、原文を並べてみました。
公式ページを6社ぶん並べてみると、言葉の使い方がはっきり分かれていました。
| メーカー・販売元 | 確かめたページ | 音についての記載 |
| ダイヤ | 製品ページ6本・カタログ | 「静音タイプ」の見出し |
|---|---|---|
| パターマット工房 | 特集ページ・商品ページ | 「防音仕様」と明記 |
| タバタ | パター練習の17ページ | 記載は見つからず |
| ライト | 製品・カタログ・FAQ | 記載は見つからず |
| PuttOUT | パターマットのページ | 記載は見つからず |
| WELLPUTT | 代理店の製品5ページ | 記載は見つからず |
表の中身は、1社ずつ読むと違いがよくわかります。
ダイヤは「静音タイプ」と製品ページに書いている
まずは、ダイヤ株式会社(ダイヤゴルフ)の製品ページから。
自宅での練習向けという文脈で、「静音タイプ」という見出しが置かれています。
この見出しが付いているのは、ダイヤ パターグリーン HD2020 と、長さ違いのダイヤ パターグリーン HD3230 の2本でした。
本文で挙げている理由は、人工芝の下に厚めのラバーを接着していることと、プラスチックカップがないこと。
同じ製品でも、見る場所で書いてあることが違います。2026年のゴルフ製品カタログでこの2本の説明を読むと、人工芝の品質と練習方法の話だけで「静音」の語は出てきません。製品ページとカタログの両方を見ないと、メーカーが何を売りにしているかは分からないんです。
ダイヤはオートパットHDの機能名にも「静音」を使っています。
つまり同社にとって静音は、性能値ではなく製品の特長を表す言葉という位置づけなのかもしれません。
販売元が出している数字は、マットの厚さ5ミリだけ
「防音仕様」と正面から掲げているのが、パターマット工房・PROゴルフショップです。
特集ページの見出しは、「マンションでも安心」「防音仕様」と並んでいます。
読者から届いた質問に、その場で答える形。
そして6社のなかで、音に関わる数字を出していたのはこの1社だけでした。
通常のパターマットは薄めの人工芝や1〜2ミリの起毛素材ですが、当パターマットは厚さ5ミリで裏面に軟質のラバーがありますため、防音仕様となっております。
起毛素材(表面を毛羽立たせた布地)の1〜2ミリに対して、厚さ5ミリで裏面に軟質ラバー。
ここで示されているのは厚みという仕様の数字であって、音の大きさの数字ではありません。
この違いは、次で見る判定の根拠にそのままつながっていきます。
判定の根拠は「人間の耳で聞く限り」と書かれている
同じ回答文には、もうひとつ見落とせない一言が添えられているんです。
転がり音は無音である、という説明のあと。
そこに(人間の耳で聞く限り)というかっこ書きが置かれています。
これは、測定器の値でも第三者機関の試験結果でもありません。
ここがこの記事の分かれ目です。販売元は、根拠がどこまでかを(人間の耳で聞く限り)と自分で書き添えています。読む側も同じ精度で受け取り、販売元が耳で確かめた範囲の話として扱うのが公平ですよね。
同じページには、マットの外にボールがこぼれないよう工夫してほしい、という注意書きも添えられていました。
売り手の側からマットだけでは片づかない音を先に伝えているところは、むしろ誠実な書き方だと思います。
パターマットに静音と書いていないメーカーもある
残りの4社は、パターマットの説明で音に触れていませんでした。
株式会社タバタ(タバタゴルフ)は、パター練習カテゴリーの17ページを確認しました。
静音・防音・消音・マンション・集合住宅・階下のいずれも、0件です。
ライト株式会社(LITE)も同じで、材質欄に「ナイロン、TPR」とあるだけ。



TPRって書いてあると、なんとなく静かそうに見えるけど…。
TPR(ゴムのように軟らかい樹脂)を音や振動と結びつける説明は、公式のどこにも見当たりません。
PuttOUT(パットアウト)の日本公式サイトも、厚いTPRゴムを使う理由として挙げているのは巻き心地の良さでした。
WELLPUTT(ウェルパット)も、日本の正規代理店であるテックウインド株式会社の製品ページ5本に音の記載はなし。
「集合住宅」に触れている1社も、理由は音ではありません。WELLPUTTマット2mの説明にある「日本の集合住宅でも使いやすいコンパクトモデル」は、長さ2.2mというサイズの話です。集合住宅という語だけを拾って静音と読み替えないよう、気をつけてみてください。
ここで大事なのは、静音と書いていないから音が大きい、とは言えないことです。
書いていないのは売り文句として使っていないという事実であって、性能の話ではありません。
デシベルの表示は、探した範囲では見つからなかった
では、音の大きさを数字で出しているメーカーはあるのでしょうか。
正直に書くと、探した範囲では1件も見つかりませんでした。
ただ、公表していない、と言い切るつもりはないんです。
なので、どこを見たのかを先に置いておきますね。
| 探した項目 | 結果 | 見に行った場所 |
| デシベルの値 | 見つからず | 製品・カタログ・公式ストア |
|---|---|---|
| 裏面ラバーの厚み | 見つからず | 製品ページの寸法欄 |
| マット全体の厚さ | 1社が記載 | 工房の特集ページ |
| 第三者機関の試験 | 見つからず | 製品・カタログ・FAQ |
見に行ったのは、6社の製品ページと、カタログPDFを出している2社のカタログ、シリーズや特集のページ、FAQ、コラム、そして公式オンラインストアです。
さらに、楽天市場で「パターマット 静音」の上位20件の商品情報も機械的に検索してみました。
それでも、デシベルの表記は0件。
通販の「静音設計」は、ショップの言葉のことがあります。上位20件で「静音設計」とあったのは商品名の文言で、メーカー公式の原文ではありませんでした。公式の表記かどうかは、メーカーのページで確かめてみてください。
ダイヤとライトは、公式の直販ストアも開いてみました。
ただ、書いてあることは製品ページと同じでした。
数字がないことを、欠点として書くつもりはありません。「何デシベル下げたか」を表示する公的な枠組みが評価しているのは建物の界床の仕上げ構造で、後から床に置く練習用マットを評価する仕組みは見当たらないからです。数字で比べられない前提に立って、仕様で比べていきましょう。
マンションで使うパターマットは、裏面と厚みから確かめる


音の出どころ4か所のうち、マット選びで変わるのは①転がる音・②カップイン音・③返球の音の3つでした。
だから商品ページで確かめるのは、音の出どころとは別の4点。
裏面・厚み・カップ・返球です。
| 確かめる項目 | 見るところ | 関わる音 |
| 裏面 | 床に当たる面の素材 | ①転がる音 |
|---|---|---|
| 厚み | マット全体の厚さ | ①転がる音 |
| カップ | 硬い部品の有無 | ②カップイン音 |
| 返球 | 手動か電動か | ③返球の音 |
裏面は、床に当たる部分がゴムか布かで分かれる
最初に見るのは、床に触れる面が何でできているかです。
ダイヤは、人工芝の下に厚めのラバーを接着していると書いています。
パターマット工房の説明は、裏面に軟質のラバーがある、というもの。
一方、ライト株式会社のフラットパターマットは材質欄が「ナイロン、TPR」。
国の資料が挙げている対策と、向きは同じです。国土交通省は軽量床衝撃音への対策として「床仕上げ材に軟らかい材料を選択する」を挙げています。軟らかいものを床側に置く、という考え方の向きは重なるんです。
ただし、素材名から音の大小を読み取ることはできません。
公式が材質を書いてくれているかどうか。
そこを確かめるところまでが、読者にできることなんです。



材質が書いてある商品を選ぶ、というだけでも違うんだ。
裏面の材質を自分で確かめてから選びたい方もいますよね。
そんな方には、材質をナイロンとTPRと公表しているライト フラットパターマット 2.0があります。
公式に「静音」の記載はないモデルです。
ただ、材質が書いてある例としてここに置いておきますね。
厚みは、公表している販売元とそうでない販売元がある
2つ目は厚みです。
ただ、ここは調べても情報がそろいません。
マット全体の厚さを数字で出していたのは、パターマット工房の5ミリだけでした。
ダイヤの製品ページは「厚めのラバー」という言葉で、数字は添えていません。



比べたいのに、比べられる数字がそろってないのか…。
裏面のラバー単体の厚みにいたっては、6社のどこにも記載を見つけられませんでした。
寸法欄に並ぶのは、本体の長さ・幅・高さなんです。
層ごとの内訳までは書かれていないんですよね。
「厚いほど静か」とは書けません。厚みと音の関係を測って示した資料が見当たらないからです。厚みは比べられる数字が1つあるかどうかという、情報の多さの目安として見ておくといいと思います。
カップの部品があるタイプと、ないタイプがある
3つ目のカップは、音の観点ではけっこう分かりやすい項目です。
フラットタイプには球が落ちる硬い部品そのものがありません。
代わりに、ボールストッパーや平らなターゲットカップで止める作りになっています。



入った音がしないと、決まったかどうか分かりにくいかも。
たとえばタバタ パターマット F-2.2 は、ベース部にカップ径90ミリと70ミリの2つを備えたタイプ。
この2つの数字は、タバタゴルフの製品ページの仕様欄にあります。
カップの部品があるタイプが劣っているわけではありません。実際のカップに入れる感覚を再現できるのは、部品があるタイプの強みです。夜だけ音の出る要素を減らしたい人が、フラットタイプを選ぶという整理ですね。
カップの部品がないフラットタイプを探している方なら、ダイヤ パターグリーン HD2020が選択肢のひとつですね。
ただし長さは約200cm・幅は約20cmなので、長い距離を転がす練習には足りません。
返球は、手で戻すタイプと自動で戻すタイプがある
4つ目は、打った球をどう手元に戻すかです。
自分で拾いに行くタイプなら、機械が動く音は増えません。
その代わり、毎回歩いて拾う動作が入ってきます。



夜中に何度も歩き回るのも、それはそれで気になるかも。
電動で戻すダイヤ オートパットHDは、本体の長さが約271cmで質量が約1.5kg。
電源は単3アルカリ乾電池4本(別売)か、別売のUSB-ACアダプターを使う仕様です。
返球距離を手元で変えられる機種もあります。ダイヤ オートパットHDには「返球距離調節ボリューム」があり、公式が示す距離の目安は約1.0mから。短い距離だけで練習する使い方も選べるんです。
打った球が手元まで戻る仕組みがほしい方は、ダイヤ オートパットHDが候補になると思います。
ただし電動である以上、動作音と電池という別の要素が増える点は先に知っておきたいところです。
長さは、置ける場所と転がしたい距離から決める
最後は長さ。
じつは、ここも音と無関係ではないんです。
長く転がすほど、マットの上を球が転がっている時間も延びます。
そのぶん、部屋のどこに広げられるかという制約も強くなりそうです。
| モデル | 本体の寸法 | カップの部品 | 返球 | 価格(税込) |
| ダイヤ パターグリーン HD2020 | 長さ約200cm×幅約20cm | なし | なし | 4,950円 |
|---|---|---|---|---|
| ダイヤ パターグリーン HD3230 | 長さ約300cm×幅約32cm | なし | なし | 7,700円 |
| ダイヤ オートパットHD | 長さ約271cm×幅約29.5cm | なし | 電動 | 15,400円 |
| ダイヤ オートパットHDL | 長さ約371cm×幅約29.5cm | なし | 電動 | 15,950円 |
| タバタ パターマット F-2.2 | マット部 2200×300mm | ベース部に2つ | なし | 6,930円 |
| ライト フラットパターマット 2.0 | 公式内で記載が2通り | なし | なし | 3,960円 |
ライト フラットパターマット 2.0 の寸法に注記を付けた理由は、公式サイトとカタログで記載が違うから。
製品ページは3000×450mm、2026年版カタログは2,000×200㎜。
どちらが誤りかは判断できません。製品名の「2.0」とカタログの寸法は合っていて、同社の楽天公式店の商品名もカタログ側の2mと同じ書き方です。公式のなかで食い違っている以上、この記事では断定しないでおきますね。買う前にサイズを販売店に確認しておきましょう。
マンションのパターマットは、下に敷くものと置き場所も決める


マット選びで手を打てるのは、3か所までです。
残りは、買ったあとの使い方で変わってきます。
環境省が挙げている5つの気くばりに当てはめてみると、位置づけがはっきりするんです。
| 環境省の5つの気くばり | パターマットに当てはめると |
| 1 時間帯に配慮しましょう | 深夜と早朝を練習に使わない |
|---|---|
| 2 音がもれない工夫をしましょう | 置き場所と、下に敷くものを決める |
| 3 音は小さくする工夫をしましょう | カップを使わない練習に切り替える |
| 4 音の小さい機器を選びましょう | マットの仕様を確かめる |
| 5 ご近所とのおつきあいを大切にしましょう | あいさつと、困ったときの相談 |
マット選びは5つのうちの1つにすぎない、という位置づけが見えてきます。
マットの下に敷くものは、公的資料も対策に挙げている
環境省のパンフレットには、音の種類ごとの対策がひとつずつ書かれています。
家具移動音の欄にあるのが床にマットなどを敷くという一行です。
室内・階段の足音の欄にも「マットなどを敷いて音を小さくする」と並んでいました。
マットを敷くこと自体は、公的資料も挙げている手です。メーカーの宣伝ではなく国の資料に載っている、というのは心強い材料ですよね。ただし何センチの何を敷けばいいという指定はどこにもありません。
個人のブログでは、「厚さ何センチの発泡スチロールを敷く」といった具体策も見かけますよね。
ただ、その数字の出どころをたどれないので、この記事では採用していません。
置き場所は、壁から離せる向きがあるかで決める
5つの気くばりの2番目は「音がもれない工夫をしましょう」でした。
部屋のどこにマットを広げるかは、この工夫に直接あたります。
選べるなら、隣の住戸と接する壁から離れた向きに置くほうが、選択肢としては素直かもですね。



廊下なら長さは取れるけど、壁は近いんだよな…。
リビングの中央か、寝室の壁際か、廊下か。
どれを選ぶかで、球が外れたときの行き先も変わります。
ただ、ここで壁から離せば響かないとは書けないんです。
測ったデータがないので、置ける向きを何通りか試してみる、というところまで。
練習する時間帯は、環境省が最初に挙げている気くばり
5つの気くばりで1番目に置かれているのが時間帯です。
順番に意味があるかは、書かれていません。
それでも、真っ先に挙がっている事実は覚えておきたいところ。
平日の夜しか時間が取れない会社員ゴルファーには、つらいところですよね。
やめるのではなく、置きかえる方向で考えます。深夜だけカップを外す、素振りとグリップの確認に切り替える、週末に長い練習をまとめる。時間帯で内容を変えるという手なら、練習そのものは続けられるんです。
自宅でやることと外でやることの役割分担は、ゴルフレッスンに通うべきかを整理した記事でも同じ考え方で扱いました。
自宅は音の出にくい練習、外は音を気にしない練習、という振り分けもありですね。
床がフローリングか畳かで、置き方の考え方が変わる
同じマットでも、下にある床は部屋ごとに違います。
パターマット工房の説明はフローリングの上に設置した場合を前提に書かれていました。
畳やカーペットの上に置いたときの説明は、6社のどこにも見当たりません。



畳の部屋に置きたいけど、跡がつかないかも心配…。
畳に置くなら、音より先に跡やずれの注意書きを販売元のページで確かめておいてください。
賃貸の場合は、原状回復の条件が契約書に書かれている場合もあります。
カップを使わない練習にすると、落ちる音は出ない
最後は、練習の中身そのもので音を減らす手です。
カップの部品に球を落とさなければ、②のカップイン音は出ません。
これは効果の話ではなく、音が出る部品を使わないという構造の話なんです。
カップを外すだけで、出どころが1つ減ります。あとから足す置き型のターゲットカップなら、外して使えるからです。夜は外して、休日は付けるという使い分けもできます。
では、マットの上で何を練習するか。
そこは、この記事の担当ではないんです。
距離感や3パットの減らし方が気になる方は、パターが入らない原因を整理した記事ものぞいてみてください。
自宅でできるのは、パターとアプローチくらいなんですよね。
なので、ウエッジの飛距離の記事とあわせて読むと、家での練習の組み立てが見えてくるはずです。
自分の部屋の音は、騒音計の貸出で確かめられる


ここまで、数字がない話を続けてきました。
でも、自分の部屋の音なら測れるんです。
商品の数字を待つより、こちらのほうが早く答えにたどり着けると思います。
自治体によっては、騒音計を貸し出している
環境省のパンフレットの後半には、こんなQ&Aも。
Q どれくらいの騒音が発生しているのか知ることはできますか? A 地方自治体によっては騒音計の貸出を行っているところがあります。窓口にお問い合わせください。
騒音計(音の大きさを測る機械)を、自治体が貸し出している場合があるという話です。
問い合わせ先は、お住まいの市区町村で環境に関わる部署。
貸出をしているかどうかは、自治体ごとに違うんです。
まずは電話かサイトで確かめましょう。
商品を比べるより先に、自分の部屋を測れます。メーカーがデシベルを出していない以上、自分の環境の数字を持つほうが判断は早いはずです。マットを買う前でも後でも、この一手は使えますよ。
自分の耳では、下の階に届く音は確かめられない
自分の部屋で聞こえる音と、下の階に届く音は別ものです。
打っている本人がいるのは音源のすぐそばなので、そもそも聞こえ方が違うんですよね。
はっきりするのは、家族や同居人に下の階や隣の部屋で聞いてもらうこと。



自分では平気だと思ってても、下では違うかもしれないのか。
聞こえ方は、暗騒音(まわりにもともとある音)の大きさでも変わります。
昼間は気づかない音が夜に目立つのは、周りが静かになるからかもしれません。
環境省も、一度不快と印象付けられた音をその後敏感に感じるようになる場合がある、と書いていました。
音のことで相談したいときの相談先
気になる声が届いたときの相談先も、環境省が示しています。
- 当事者間または住宅の管理人への相談
- 地方公共団体の相談窓口(設けられている場合)
先に知っておくと、何かあってから調べなくて済みます。
正直に言うと、この記事は苦情が来ないと約束するものではありません。
できるのは、音の出どころを減らすことと、届いたときの動き方を知っておくことまでなんです。
マンションのパターマットでよくある質問


マンションのパターマットについて、多い質問と答えをまとめました。
賃貸のアパートでもパターマットは使えますか
使えるかどうかは契約と建物によるので、まず賃貸借契約書と管理規約を確かめましょう。音についての考え方は分譲でも賃貸でも同じで、音の出どころ4か所から見ていけば整理できますよ。
1階に住んでいる場合も静音のマットを選ぶべきですか
下の階がない分、床へ伝わる音の相手は変わるんですよね。ただし隣の住戸と接する壁は残るので、4か所のうちどれが自分に関係するかを先に決めるのがおすすめです。
畳の上に敷いても大丈夫ですか
畳向けの説明は、今回確かめた6社の公式ページでは見つかりませんでした。跡やずれについては販売元の注意書きを確認したうえで判断してみてください。考え方は床の種類の項目にまとめています。
マットの下に何を敷けばいいですか
環境省は対策のひとつとして「床にマットなどを敷く」を挙げているんです。ただし素材や厚さの指定はないので、手持ちのラグなどで試すところから。くわしくは下に敷くものの項目をどうぞ。
何デシベルまでなら問題ありませんか
その線を決める公的な数字は存在しません。生活騒音に法律の規制はなく、東京都の条例の基準値も集合住宅の住戸間には適用されないためです。根拠は合格ラインの数字がない理由で引用しておきました。
自作やホームセンターの人工芝で代用できますか
代用そのものはできますよ。ただし裏面に何があるかが分からないので、音の出どころ①が読めなくなる点は覚えておきたいところ。見るべき場所は裏面の項目のとおりです。
パターマットの練習はコースで役に立ちますか
この記事はマットと部屋と音を扱うので、練習の効き目そのものには踏み込みません。答えはパターが入らない原因を整理した記事にまとめました。音の出どころの整理は4か所の話にありますよ。
敷きっぱなしにしても大丈夫ですか
出し入れの動作そのものも音になるので、置きっぱなしのほうが静かな場面もあるんです。抜け毛や跡の出方は製品で違うため、販売元の説明を確かめてみてください。置き場所の決め方は置き場所の項目にあります。
夜に練習してもいいですか
環境省の「騒音をなくす5つの気くばり」で、1番目に挙がっているのが時間帯への配慮なんです。やめるのではなく、時間帯で練習の中身を変える手もあります。整理は時間帯の項目を見てみてください。
電動の返球機能付きは音が大きいですか
大きさを示す測定値は見つかりませんでした。ダイヤは自社の機能を「静音オートリターン」と呼び、動作音が静かだと製品ページで説明しているんです(測定値ではありません)。電動で増える要素は返球の項目で整理しました。
まとめ:マンションのパターマットは音の出どころから選ぼう


マンションのパターマットは、商品名の「静音」ではなく音がどこから出ているかで選ぶのがおすすめです。
公的な合格ラインの数字が存在しない以上、比べる物差しは商品名から仕様に移したほうが早いんですよね。
| 決める順番 | そこで決めること |
| ①音の出どころ | 4か所のどれを減らすか |
|---|---|
| ②仕様 | 裏面・厚み・カップ・返球を確かめる |
| ③置き場所と時間帯 | どこに敷き、いつ練習するか |
音が気になって買えないまま時間が過ぎると、自宅で積み上げられたはずの練習がそのまま消えていってしまいます。
今日できるのは、気になっているマットの商品ページを開いて、裏面の材質と厚みの記載を探すところまで。
そのうえで自治体に騒音計の貸出を聞いてみれば、自分の部屋の数字が手に入るんです。



比べ方さえ決まれば、もう商品名で迷わなくていい。
マットを替えても球の転がり方が気になる方は、パターの選び方から見直してみるのもありです。
自宅は音の出にくい練習、外は数字を伸ばす練習。
そう分けておけば、ゴルフ初心者の飛距離の目安のような話も切り分けて考えられるかもですね。
下の階への気づかいと100切りへの練習、ぜひ両方をあきらめずに続けていきましょう。

